双槐樹

双槐樹は学名をコリューンといい、10年に一度、漆黒の花を咲かせる木だという。

神仙のみがその姿をみることができるというから、想像上の…、いや…、作者のデッチアゲである。

姉の玉遥樹も同じような理由での命名かもしれないが、そこには全く触れられていない。
彼女は、原作において、やたら氷を吹いている(もちろん比喩だが)ので、むしろ、雪女のような存在である。

黒い花で検索すると、一年草で、黒い花を咲かすものは結構ある、ということが分かった。

ただ、木、ということになると、私の貧弱な検索能力では、黒蝋梅しかヒットしなかった。

枝中に黒き花を舞わせ、実に誇らしげで、涙が滴るほど、素晴らしき姿である、
と その名をつけれらた双槐樹本人がそう述べている。

間違っても、蝋梅のイメージではないな…

そういう咲き方をする木、となると、これまた貧弱な私の知識では、桜、ということになってしまう。

桜の根元には死者が眠っている、というデマを、信じさせるだけの美しさと絢爛さが、桜にはある。

というわけで、私の双槐樹(木のほう)のイメージは、染井吉野でも八重桜でもいいが、その辺りの桜のような咲き方をする樹木が、漆黒の花をつけ、風の中、花びらが舞い散る様である。

日本において、桜の開花時期は大変短い。

双槐樹の人生もわずか18年であった。

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