「ジャパネスク·リスペクト」

氷室冴子さんの没後10年、ということで出版された「なんて素敵にジャパネスク」のトリビュート集

「ジャパネスク·リスペクト」というのを読みました。これは2018年の刊行ということで図書館の書架にあったよ!

山内直実さんが寄稿されているというので借りたわけで、ホクホクしてページをめくったら4ページしかなかった。。。

ぶーぶー

トリビュートって何よ?
と思ってたら
プロ作家による「なんて素敵にジャパネスク」の二次創作集だった。。。

あ、山内直実さんの寄稿は二次創作ではなくて
氷室冴子さんとの思ひ出」でしたけどね

私は二次創作にキョウミ無いんですよ。。。

ネットで「なんて素敵にジャパネスク」の二次創作を公開している方がソコソコいるみたいで
、ググっているとそういうのによく出会います。

氷室冴子さんの作品の感想の場合は読むのですけれど
二次創作だとわかると、ソッコーでページを閉じるくらい、キョウミ無いんです。。。

ぶーぶー言っても何なので
まあプロの書くものだしなあ、読んでみるか、とパラパラめくリました。

気に入ったのはアキ姫が主役の「ジャパネスク·ネオ!」です

一箇所「ん?」と思ったのは
アキ姫が自分の理想の結婚相手について
「今にも死にそうな金持ちの老人」
と由良姫に答えたのは、これはアキ姫という設定としてはおかしいだろう、という感想を持ったくらいで。

アキ姫は身分と金の両方が無いと、結婚相手とは認めませんから。この理想像では金しか反映してないヨ

後はジャパネスクお得意の活劇風で、なかなか楽しく読めました。最後の「あたくしの未来は、黄金よりも輝いている」というラストも素敵でした

瑠璃と高彬の10年後を描いた作品(「女郎花の宮」)も
最後2ページくらい前までは(起承転結の「転」までは)、「現実ってこんなものかもしれない。。。」という、なかなか切り込んだ話で、面白かったです。
切なく苦い部分があって、長い人生、こんなこともあるかも、いやあるんだろうなあ、そうやって恋人から夫婦になるんだろうなあ、という。
ただ、オチというか収束である「結」が、「あああ。。。やっぱり少女小説だもんね」
という感想でしたのと、大納言まで出世した高彬に、まだ後見が必要なんだろうか?という疑問はありましたが。

「まあ、こういう落としどころにするのは、少女小説というジャンル、そしてトリビュートとして発表する以上しょうがない」と分かっていますヨ

でも「起承転」まではすごく面白かったです。
瑠璃が6人も子供を産むというのが、二人の睦まじさを見せつけられる思いでしたしね。あはは
いちいち子供全員の名前を考えて、作品に入れた作者もマメだ(そこのところ、すっ飛ばして読んだ私は鬼かも)。

現代学園モノの方(「じゃぱねすく六区」)は、高彬に相当する「千理」君が、高彬っていうより、守弥みたいなキャラだった。高彬は大事な人を守る為に知恵を働かせても、自分のエゴ目的で人をハメる工作に頭脳を使う人間じゃないのよ。。。

瑠璃に相当する「清良」さんが、機動隊を巻き込んだ事件を起こしたこともある、っていう設定には笑いましたけど。ただ、この「清良さん」、1ミリも「千理君」のこと好きじゃないよね?
(追記「清良」と「千理」はどっちかって言うと、一条ゆかりの「有閑倶楽部」における、悠里と清四郎みたいだった。私の頭の中では「千理」君は清四郎にほぼ自動変換されていた)

アキ姫主役の作品と学園モノで、男装した麗しい女性が出てくるんですが
最近の少女小説では、男装した女性に恋のイロハも知らない女のコが恋するのがメジャーな路線なんだろうか。。。
女のコが恋した相手が、男装した女性と分かって、「失恋」になるところが「少女小説」だよなあ
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