「平安女子は、みんな必死で恋してた」


イザベラ・ディオニシオ著

多大なる敬意を表して
著者のことを敢えて「イザベラちゃん」
とお呼びさせていただいきます

自称、文学オタクのイザベラちゃん
現代日本語を自由自在に扱い
古語や短歌の解読までマスターしているその能力に
すっかりノックアウトされたワタクシです

驚くべきことに
彼女はイタリア語ネイティブの
イタリア生まれイタリア育ち

地中海の風に吹かれて、パンを齧りながら成長し

父母のどちらかが日本人とか、そういうバイリンガルでは全くなく、生粋のイタリア人

ヴェネツィア大学で日本の古典に初めて触れて
その後、お茶の水女子大学大学院にご入学

という経歴

それでここまで日本語を操れるって
イザベラちゃんの語学スキル、どんだけ〜!

しかも彼女が凄いのは
2−3ページめくる毎に爆笑させてくれるところ

平安女子とその恋人へのツッコミも
時折挟まれるイザベラちゃんの恋のトラウマも
何もかもがイキイキと輝いている

読了するのが、惜しくて惜しくて仕方なかった

特に私のおすすめは
蜻蛉日記」「竹取物語」についてのエッセイ

ゲラゲラ笑えること間違いなし!
最近のニュースに憂鬱な毎日をお過ごしの貴方、ぜひ一読あれ
たとえ一瞬でも、憂鬱を吹き飛ばしてくれることを私がお約束します


伊勢物語の回で
「『おい、待ぁてよッ!』と乗込んでほしいのに、この男、女心を分かってないな!」
というところなんて

このセリフ
キムタクが言ってそう
って感心仕切り

イザベラちゃんが語りだすと平安古典が
トレンディドラマに早変わり


一点、
「古典作品にでてくる日本語は男女関係にまつわる単語が驚くほど多い。イタリア語はアモーレ一筋で済ませているのに比べたら、大違いである」
と書いているのは、イザベラちゃんなりの謙遜です
イタリア語通訳、田丸久美子さんのエッセイを読めば分かりますが
古典に負けず劣らず、愛の言葉を連想させる現代イタリア語の多さ、イタリア人のイマジネーションにビックリ、
というか辟易する。。。

いい加減にしてくれ!
普通の話が、したいんだよ!
お前らソッチのことしか考えてないのかよ!
と思うくらいに。。。(ゲッソリ)


イザベラちゃんの古典エッセイが
「ダンテ」で締めてくれるところは、
流石であります

日本古典とイタリア古典が学べて、一粒で二度美味しい
今までイタリア人が書いた日本に関するエッセイはいくつか読みましたが
こんなお得な、いや秀逸なエッセイをお書きになったのはイザベラちゃんだけです


私として一番グサリときたのは
更級日記」でサラちゃんが残した教訓
(イザベラちゃんは、作者である藤原考標女のことを、サラちゃんと呼んでいる)


「本を読みすぎる女は全然モテない」


知ってる。。。


#平安女子は、みんな必死で恋してた
#イザベラ・ディオニシオ