「婿取り婚」と高彬

平安貴族の婚姻形態が
「通い婚」「婿取り婚」「一夫多妻」で

現代日本の「同居婚(が一般的)」「嫁取り婚(が大多数)」「(法律的に)一夫一妻」

とは違う、ということはなんとな〜く理解していたつもりだったけれど

でも源氏物語光源氏
後ろ盾のない姫君を自分の邸に住まわせて面倒みてたよね?
これは同居で嫁取りしてるよね?
と思っていた

まあ最初の正妻、葵の上とは確かに通い婚だったけれど

モヤモヤしていてググっていたら
どうやら平安貴族の婚姻形態は一夫多妻なので妻の数だけ複数ある、
ということだと解釈した

婿取りをし、婿殿を全面的にバックパック
子供に家を継いでもらう、というようなのは
瑠璃姫のような名門一家の婚姻形態、
であってるのかな?

瑠璃の家は姫が一人だからその子供が家を継ぐことになるのは分かったけれど
高彬の右大臣家みたいに
複数の姫がいる家はどうなるんだろうか
複数の婿殿を出世のダービーレースにかけて
一番出世した婿殿の子供が家を継ぐのだろうか

そしてもう一つ気になっていたのが
瑠璃が「今はまだ私と高彬は新婚だから、高彬は夜があける前に帰って行くけれど、そのうち一緒に朝餉を食べたりするんだろうなあ」
と考えているところ

やはり現代の感覚でしか考えられない私は、
朝ごはんくらい、食べて帰ったっていいじゃんよ!
となってしまうのだが、これもググったらちょっと分かった
ような気がする

平安貴族の結婚は、たとえ披露宴(ところあらわし)で、この二人は夫婦になったよ、と公表しても、婿殿が通いつづけるかどうか(つまり良好な婚姻関係が維持されるかどうか)は、婿殿のキモチ次第である。

通い続けて行くうちに、この婿殿は信用できる、となったら、嫁の家から帰る時間が、遅くなっていっても許される、というか、嫁の家が婿殿のお世話をする時間が長くなる傾向にある、ということだった。

居着くかどうかわからない、つまり試用期間中の婿が、嫁の家で朝餉食べるなんて図々しい、という感じか。
(でも何回目かの初夜未遂の時、瑠璃が連日の残業で疲れ果てている高彬を気遣って「朝になったら小萩に言ってせいのつく食事つくってもらおうよ」って言ってるけど。。。)

で、婿殿が地位も財力も築いたところで、新居を構え、妻と子供と同居する、こともある。

出世魚のように、家族とのあり方が、婿殿のチカラによって変わるものらしい

なので
高彬はまだ試用期間中ということで、日が昇る前に帰るし
(ただ内大臣家では、朝餉食べても歓迎されそうだけど)
瑠璃の父様、母様は、通い続けてくれるようにと心を砕き、「婿殿、婿殿」と丁重に扱い、
瑠璃は「通い続けていただくためのコツ」を伝授(?)されるハメになる、
とようやくスッキリした

嫁取り婚における嫁の扱いと雲泥の差だよねえ...

やっぱり家庭の外で稼ぐ力があるっていうのは
「自由」の為に必要な手段なのだろうか

#なんて素敵にジャパネスク
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