「後宮 1,2」海野つなみ

 

とはずがたり」を元にした

後宮」1,2巻を読みました。

 

まず、クチコミに散見される「人物描き分け」問題

 

原作を読んでから、こちらの漫画を読むと、誰がどこで登場するのか分かっているのと、読み慣れてくると、クチコミほど人物が描き分けられていない感じもなく。。。

(いや、最初に人物紹介を見たときは焦ったのですが。若い男はみんな同じに見えたので。。。)

 

岡野玲子氏の「陰陽師」にでてくる姫君、女房のほうが、私は区別がつかない。。。

 

あと、ストーリーもすごく丁寧に展開しているし、かなり資料も集められ、読み込まれ、作画もかなりキチンとされていると思いました。

 

海野つなみ氏の登場人物一人ひとりへの愛情を感じる、そんな素敵な作品。

御所は今の京都御所を資料に描かれているのかな?

 

後深草院: こじらせ男〉

後深草院のこじらせの経緯を描いているのが、凄いな、と。(「とわずがたり」には書かれていない)

両親に愛されなかった息子、後深草院が、養育係である典侍大(二条の母)をいかに慕っていたか、はかなり切ないものがあり。。。

 

しかし、思う。

母親から十分な愛情を注がれなかった男は、死ぬまで女漁りするしかないのか。。。

こんなこじらせ男と恋愛はしたくないものだ。

いや、するもんじゃない。。。。

マジで。。。

 

西園寺実兼: 可愛い顔して、あの子、割とやるもんだね〜と♪〉

誠実面してなかなかスゴイことをやってのける男

 

「他の男の子供を身籠っていないあなたを抱けるのは、今しかない」

凄い口説き文句だ

原作にはない。海野つなみ氏のオリジナルである。

 

御所さまの皇子を出産してまもなく、上記の口説き文句を受け入れた二条は実兼の子供を妊娠する。

実兼は主君を欺いたまま、手慣れた様子で出産を終わらせる。

 

甘いマスクのイケメンに描かれているが、かなりのやり手。出世もするだろう

 

ただ恋愛するなら一番マトモな相手

たとえ妻と子供が何人いても

 

〈二条: 泣いてばっかり〉

なんかずっと泣いてる。。。

ジャパネスクの瑠璃姫のタンカが懐かしくなるくらい、ずっと泣いてる。。。

 

ただ、二条はこの作品では自分は御所さまの「后」と言っているが、后ではないのだが。。。

飽くまで召人の「女房」なので。

なんでこのセリフが出てきたのかな?

 

「御所さまの后なのであなたとは関係を持てない」、とかはっきりと実兼に言う割に意思が弱い。

数分後に実兼に抱かれている。。。

そしてまた泣く。。。

 

 

と、登場人物に色々思うことがあるのは「とわずがたり」がそんなハナシなのであって

漫画としては非常によく描かれているな、と思いました。

 

お気に入りのシーン

↑実兼と二条(あがこ)。雪の嵐の日

寒くて出れない二条。可愛い。私も寒がりなのでこの気持ち分かるなあ

 

 

御所さまの正室のことも踏み込んで描かれていて、海野つなみ氏はこの「とわずがたり」を本当に好きでコミカライズされたんだなあ、と思いました。

 

漫画独自のキャラ、侍女二人もなかなかいいコンビで、幼いほうの侍女、さくやがサラッと時制や政治情勢を説明してくれたり、なかなかお役立ち。時たまギャグも挟んでくれていい感じ。

↑こういうギャグ。けっこう好きです

 

 

3巻は法親王〈ストーカー男〉とのオハナシみたいですが、読むかどうかは私のキモチ次第で。

 

今はちょっと恋愛モノはお腹いっぱい。。。

 

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