「皇太子婚約解消事件」浅見雅男

 

ゴシップネタ。。。

といえば、そうなんですけど。。。

 

明治天皇伊藤博文はじめ、明治時代のオッサン

もとい

高度的政治判断を下す立場の方々が、10代のはじめ、つまりティーンエイジャーの女の子たちを品評している様はおもしろ可笑しい

 

ブス

イケず

チビ

 

みたいな

 

要は皇太子(後の大正天皇)がかなり病弱で

その皇太子妃には健康であってもらわねば、皇統の存続に関わる!

ということみたいなんですけど

いや、だから皇統を絶えさせないために、宮家があるんでしょ?

という気がしないでもないですが

とにかく、明治のオジサンたちは

「健康優良女子はゼッタイ、性格も大事、見た目はやや譲歩」

ということで、皇太子妃を最終決定した結果、内定までしていた禎子女王が健康上の理由で、婚約破棄されてしまったよ、という内容です。

この禎子女王は、表紙左側の写真の女性なのですが

現代的美的感覚でもって見ても、かなりの「美人さん」です。

で、性格もピカ一良くて、皇太子妃候補として申し分なし、という少女だったようです。

あまりに、ピカ一なので他のお妃候補の少女たちが、ブスだのチビだの言われるハメに。

ただし、健康上の懸念点でもって、明治天皇は婚約破棄の決断をしたようです(他にも色々あったようですが、一番の理由は、健康上の問題、というのが著者の書いているところです)。

 

禎子女王は明治天皇の皇后よりも長生きしたらしいので、長生きと病弱は関係ないのでしょうか。ただ、禎子女王は、婚約破棄後、竹内家の当主と結婚していますが、子供を産むことはなかったそうで、そういう点で言えば、明治天皇の決断は良い方に転んだと言えそうです。

 

読んでみて思ったのは、少女たちを取り巻くオッサンの思惑や、何やかや、スッタモンダは書いてある(記録にある)のに、当の后候補の少女たちの感情は全く書かれていないんですよ

 

破棄された時、禎子女王はどう思ったか

内定を受けた時、九条節子はどう思ったか

多感な十代ですもの

色々思わないわけ無いでしょうよ

(オジサンたちに散々「健康優良でもブス」と言われて、拗ねない少女がいようか。ただ、節子の写真を見て「みんなが言うほどブスじゃないよね?」と言った人もいるらしい)

 

そういうのは、日記にでも書かれていないものなのでしょうか

 

あと、この時代の皇太子は自分で結婚相手を選べないんだ。。。。

というのも印象的でした。

 

選ぶのは周りのオジサン

決めるのはパパ(明治天皇

 

そういうもんなのでしょうか

 

最近の皇族、王族は

自分で恋愛スキルも磨かなきゃいけないし

プロポーズもしなきゃいけないし

育メンやママ業もしないといけないし

仕事もしなきゃいけないし

 

だから、ホント、一人にタスクが多すぎるんだってばよ

(結局そこに戻っちゃう)