友人に学芸員の卵がいまして
彼女いわく学芸員仲間では
「自分の専門時代の大河ドラマは見れない」
というのがあるそうです。
なんかもう、ツッコミどころ満載だそうです。
それを聞いたのが20代でしてね
大河ドラマにはちっとも興味なかったですし、日本史にも興味ないもので
(じゃあ、何に興味あったんだヨ、という感じですが)
「へぇ〜、そうなんだ〜(棒読み)」
みたいな対応で流してまして。
「光る君へ」の放送開始2年くらい前から、ぼちぼちと平安時代の物語を読んだり、にわか弱小平安オタクっぽくなってしまった私でさえ(ただの偶然です)
「光る君へ」を見て
「うそーん」
と突っ込む箇所があるのですから、
「こんなの平安時代じゃないし!」
とブチ切れて泡吹くか
開き直って
「ライトな平安テイスト風現代ドラマ、でもなんか見覚えのある歴史事件が出てくるような気もしないでもない」
みたいな感じで目を細めて見ていらっしゃるか
どちらかのような気がします
かと言って、平安時代をまんま再現されたら嫌だよ、というのも、いくつか私にはあります。
まず、化粧。
お歯黒、麻呂眉、白塗り
はマジ勘弁、です
もうこの辺はホラーの域ではないでしょうか
夜8時のゴールデンタイム、良い子もまだテレビを鑑賞する時間帯
泣くよね、間違いなく
麻呂眉、白塗りは映画「千年の謎」で室井滋さんが実践(?)されてましてね
ただ、この化粧は「敵役」的な感じで導入されていたような感じがいたします
だって、室井滋さんだけでしたからね
流石に室井滋さんもお歯黒は省略されてましたよ
「おじゃる丸」の主人公が、麻呂眉、白塗りなんですけど、あれは、なんか、違うよね。。。
最近はお雛様も、麻呂眉じゃないしね
ただ、検索していると大河ドラマ「平清盛」の画像が出てくるんですが、貴族階級の俳優さんはけっこう律儀に「白塗り、麻呂眉」メイクだったんですね
兎にも角にも、この化粧の現代化はウェルカムですよ
(「ジャパネスク」世代ですからね)
で、「分かる、分かるよ、その変更」と頭では納得してもツッコんでしまうこと
その1
姫が部屋の中で立ってウロウロしている
まあね、ズリズリと膝行膝退ばっかりしてたら、絵的になんかつまんないですよね。それに、板敷きの上を、膝行膝退ばかりしていたら、俳優さんも膝を痛めてしまうでしょうしね
しょうがないよね
その2
扇はどこ行った、特に姫たち
これは前回書いたので省略
その3
御簾が日中常に全開
宮中の御簾がね、常に青簾なんですよ!
(撮影用は青竹じゃないとは思いますが)
これはすっごくいいなあ、っ思ってみてます。
そっかー、きっと青竹のいい香りが漂っていたんだろうなあ、という新たな発見とともに想像しています。
一方、貧乏まひろ家は、青竹や白木でないところが、「極貧」感を醸し出していて、なるほどなあ、と思っています
(にわか平安マニアなんてこんなもんですよ。チョロいでしょ?)
で、その御簾が常に昼間はフルオープン!
え、もしかして開いてるのが時代考証として合ってるのかな?
と思ってしまうほどに
極稀に降ろしてあって、誰かが庇と母屋を出入りするたびに、女房が二人がかりで御簾を上げ下げしている。妻戸から出入りしないんだね。。。
源氏物語とかでは基本、御簾は降ろされてましたよね?
姫君たちの姿が常に外に晒されちゃって、いいんでしょうか
でも、映像的には常に降ろしっぱなしじゃ、室内がなんか暗くなっちゃうし。。。
女房たちが御簾を上げ下げするだけのために、役者さん(エキストラ?)が必要になるし、しょうがないよね
その4
衣装の色の濃淡が、老若で逆
私が得た知識では若い人は濃き色、年を取ると薄い色(淡い色)にシフトしていくということでした
これが「光る君へ」では真逆
若い道長や四納言(実資除く)は、パステルカラーの直衣で、兼家が濃紺
まひろパパも、未来のまひろ夫(パパと近い年頃のハズ)も結構濃い色の狩衣で、まひろ弟はパステルカラー
見るたびに、逆、だよなあ。。。
と、ツッコンでしまうのですが、これは現代の感覚に合わせて「あえて」の変更なんでしょうね。。。
と思ってみています
うーん
ド素人の私でさえ、サラッとこれだけ出てくるのだから「プロ」は、どんなツッコミされるのか気になるわ
紫式部の初名が「まひろ」、清少納言が「ききょう」かどうかなんて、考えるだけ野暮ですよ。。。
でもね、ああ、そうか
と、教えてもらうこともあるんです。
青簾もだけど、宮中や兼家の家では、身分によって、歩いている場所がきちんと分かれているんです。
そういうところとか
このときの清明の身分や位は知りませんが(え、調べてないですが。。。)
六位以下なのかなあ、とか
そんなゆるい感じで、気まぐれに鑑賞しております
#光る君へ