全体的なざっくりとした感想は
「思ったより悪くなかった」
レビューが低評価過ぎて
ちょっと可愛そうな作品
細部に至るまで、けっこう丁寧な作りの作品だと思いますけどね
ただ
「源氏物語を知らないと展開についていけない」という感想は分からなくもないです
ちょっとややこしいよね
安倍晴明が物語と現実世界を跨ってたりするし
いや、それでも今までは
平安時代の映画は
「陰陽師」
「源氏物語〜千年の恋〜」
をわざわざ映画館まで見に行って
「日本映画ってレベル低い。技術、予算の低さが目に見える」
っていう感想しかなかったので。。。
特に千年の恋は、
出だし5分で「おお〜、これぞ平安絵巻〜」
って思ったのもつかの間
映像の世界では
光源氏を女が演じるのやめたほうがいいね!
(ラブシーンがレズビアンのベッドシーンにしか見えなくてドン引きした)
後半から、お金無くなったのかな?
という感想で。。。
陰陽師は
野村萬斎、素敵だなあ
しかし、他の俳優陣が見るに耐えない。。。
(鬼になった姫君を演じてた女優さんは悪くなかった。あのヒドイ特殊メイクで、あれだけの熱演を見せてくださったのが、逆に痛々しくて。。。)
そして、なんと言っても、
CG技術が悲惨。。
という。。。
なので、この作品もあんまり期待してなくて。
京都の風俗博物館に行こうと思ったら休館中で
その思いを晴らすために見たという
「源氏物語〜千年の謎〜」
でも今回は光源氏が、
男性俳優の生田斗真君なんだー!
ってちょっと嬉しかった
というか事前情報はそれのみで見始めて。。。
それまでに、彼の演技力はけっこう凄いな、って思ってたので。
出だしで
平安貴族の男性(後でわかったけど藤原道長:東山紀之)が
「私は何をしても許される身なのだ」って言いながら
女房装束の女性(紫式部:中谷美紀)を追いかけて手籠にするシーンでは
流石に一瞬ひいてしまい
「え、何これ?ヤバくね?」
と思ったものの
(腰紐解くスピードが速すぎるよ、道長くん(笑))
その後は、けっこうよく出来た映画だったように思う。
あ、いやその冒頭シーンでも
東山紀之さんの鍛え抜かれた二の腕は
流石かっこいいなあ、美男美女だなあ、とか思ってたんですけど。。。
小道具とか衣装とか、建物もかなり丁寧な映像に仕上がっていて
資料としてもすごいなあと思いました。
建物にハリボテ感がある、っていうコメント見かけたけど
全然そんなことないけどなー
と思いました。
中谷美紀さんの演技はすごかったです
セリフを完璧に自分のものにされてて
「言わされてる」感一切なかった
撮影順序はわからないけど
他の俳優さんはシーンが進むにつれて
それなりに馴染んできた感じで。
ただ東山紀之さんのヒゲが。。。
馴染んでなくてさ、最後まで。。。
コメディか。。。
無いほうが素敵なのに
演技は良かったのに
桐壺帝のヒゲはいい感じだった
で一番懸念したCGよ。。。
最初は、あーCG使うんだー
やめりゃいいのに、と思ったけど
まあ。。。そんなに悪くなかった
そんなに、ね
ゼンッゼンまし!
「陰陽師」より!
田中麗奈さんが六条御息所って。。。
大丈夫か?
って思ったけど
悪くはなかったよ、演技は。
ただ映画だとどうしても映像が強いから
もう少し大人っぽいイメージの女優さんを当てたほうが、やっぱり良かったよね
舞台とかなら、全然いいけど。
演技は凄かった
特に
髪を自分で洗いながら
「取れぬ、取れぬ、芥子の香が取れぬ」
というシーンが凄く良かった
というか、
え、この映画
主演は田中麗奈さんなの?
っていうくらい、彼女の出演シーンの尺が長かった
あまりに長いので
まさかこのまま藤壺出てこないのか?
って心配になったよね
桐壺の更衣\藤壺の真木よう子さんは
ショートヘアのイメージ強いけど
ロングヘアだと、めっちゃイメージが変わって
すっごい美人なんだなあ、と改めて思いました
「儚げ」っていう感じではなく、
嫉妬とか蹴散らしそうなくらい気の強い美人に見えたけど
コキデンの女御が室井滋さんってコメディだっけ、これ?みたいな
末摘花のほうが適役じゃないかと思う。。。
なもんで
えっと、ここって笑うとこ?
笑っていいの?
容姿もアレで性格もアレなら
他の女官は全員マシに見えたりしないんだろうか。
こんなのを後宮に送り込んじゃって
右大臣も計略ミスですよね
細かいところでは
花の夕顔の造花感が。。。出すぎだよ
もっといい造花なかったんかい
全然ナヨやかな花じゃないヨ
とかツッコミどころはあるにしても
映像としては
凄く凝っていて、美しくて
悪くないけどなあ
っていう
(ストーリーは原作読まないとなんとも言えないけど)
冒頭の
道長と紫式部
そして
源氏と六条御息所
のラブシーンが
殿方が強行突破!
な感じなので(腰紐に手をかけるのが速すぎるよ。。。)、
お互い合意の上の、もっと甘いシーンはないのかなあ
と思っていたら
源氏と藤壺のシーンは
藤壺から誘いをかけていて
原作とイメージは違ったけど
陰影がきいていて
いいシーンだったと思う
ただそれだと藤壺のその後の心情が
原作とはずれるんだけど
もうそれはこの際どうでもよろしい
強行突破はもう勘弁と思ってたから
ホッとした
欲を言うなら
光源氏が甘い言葉とか態度で
口説くシーンがみたかった、けど
あ、安倍晴明の式神二人が
私のイメージ通りで見ててすっごく楽しかった
本の虫の藤原行成の耳元に息を吹きかけて
フフフフ、と無邪気に笑うとことか
そうそうこんなイメージなのよねーって
と言うわけで
もし自分が漫画とかイラストとか描くなら
この映画の写真集とかあったら資料に買う
生田斗真クンの実力からすると
恋愛だけしか描かれていない役柄っていうのが
物足りない感じなんだけど
若いハンサムな魅力的な男性っていう点では
「演じてくれてありがとう!」
そしてラストの舞のシーン
とっても素敵だった!
と伝えたいです