漫画「日出処の天子」山岸凉子

ある日何故か、「馬屋古女王」の漫画が頭をよぎりまして。。。

図書館に行くと「日出処の天子」全巻が揃っていたので、借りてきました。

 

初めて読んだのは小学生だったと思いますが、全く理解できなかったよね(笑)

 

次に読んだときは中学生でした。

理解できたのは

最後の、隋に送る書のシーンと、毛人と刀自古の関係、そして厩戸皇子の「美しさ」くらい、というなんともオソマツな理解能力でした。

 

借りる前にネットでちょっとググりましたら、厩戸皇子は毛人がを愛したが、振られる、というストーリーが目に入ってきて、「はて?そんなハナシやったかな?」と思いまして、。。。

でも私って、漫画の恋愛関係に超疎いので(恋愛だけでなく全てに疎い、とか突っ込まないように。知ってます)、きっと、ほのめかされていたのを私の理解力では捉えきれなかったんだろう、と思っていたんですよ。

 

今回読み直して。。。

 

はっきりキッパリ描いてあったわ。。。

というか、それがメインストーリーだったわ。。。。

 

王子は告白して、キチンと(?)振られている。。。

読んでいると、王子が布都姫への嫉妬に身をやいている。。。

 

 

30年以上前の私は、一体何を読んでたんでしょうね?

 

カラー絵の美しさと、厩戸皇子の美しさにやられたのは覚えています。

 

今回読んでも、王子の美しさにはため息が出ます。

私としては、「淡水」の淡い恋心(?、尊敬、畏怖のほうが近い感情でしょうか)のほうが、切なかった(?、淡水は両思いになれなくても、気にしてないっぽいけど)し、そっちの方がドキッとした。

自暴自棄になってる王子も可愛かった(←この表現はきっと適切じゃない)

 

さて、「馬屋古女王」をまた読み直して思ったのは、これは山岸凉子版の「玉鬘」(源氏物語)だな。。。ということでした。

モテまくる美女を山岸凉子が描くとこうなるのか。。。、という。

源氏物語の玉鬘の段は、読んでて「だから何なん?」と思う非モテ女のヒガミみたいな感想しかなかったけど、「馬屋古女王」は「むぅ」と唸ってしまいますね。

あえて山背の一族が滅びるところまで描かないのもすごいよね

 

文庫版2巻に氷室冴子さんと山岸凉子さんの対談が載っていて、グイグイ前のめりで質問する氷室冴子さんがとても可愛らしかったです。

 

残念だったのは、単行本(30年前に読んだほう)では、作者のあとがき漫画が載っていたけど、文庫版(今回読んだほう。老眼にはちとキツイ)にはなかったこと。どうでもいい解説より、そっちの方が読者としては楽しみなのです。。。