「おちくぼ」山内直実

古典「落窪物語」をベースに、山内直実さんがコミカライズされた作品です。

 

氷室冴子さんが、同作品を現代語訳されています。

 

以下ネタバレですので、

これからお読みなられる方はサヨウナラ

 

 

皇族の母を持つ、由緒正しき姫君が、実の母を失ったことにより、継母による壮絶なイジメを受ける。

この姫君は、容姿端麗、姫君としても教養豊かで、特に裁縫が大好き、大得意。

 

そんな姫君にふとした出来心で、都イチのプレイボーイ、イケメン貴公子、出世頭が姫にアプローチ

 

姫とイケメン貴公子がなんとか、会話できるまでに3巻が費やされるという、なかなかなスローステップ

5巻で姫がようやく継母宅を脱出

6巻はイケメン貴公子と姫のお付き女房「あこき(衛門)」による継母への復讐劇

 

というのが、この「おちくぼ」の流れです

 

最後はなんだかみんなハッピーエンド

(継母、エロジジイ除く)

という感じが、山内直実さんらしくて良かったです。

 

個人的には、この継母の設定が超絶美人だったら、もっとすごかったね、という感想です。

白雪姫みたいにな感じ。

 

あと、四の君(おちくぼ姫の異母妹)と面白の駒のカップルがけっこういいですよね。

絶対、幸せな結婚だろう、っていう。

「私の婿が気に入らないなら、出てってやるわよ、こんな家!」と言う四の君がカッコいい。

頭もいいし、ちょっと瑠璃姫っぽかった。瑠璃と違うのは、殿方の見た目の好みが「独特」なところか。

ただ面白の駒さん、カオはともかく、こういう「理系」的な人、実は私が好みだったりする。

面白の駒が、イケメン貴公子から添削されつつ頑張った「後朝の歌」を四の君に出すのですが、四の君が「気取らないほうが彼らしくていいのに」というあたり、ああ、なんて素敵なカップルだろう、と。

 

はっ

 

全然、おちくぼ姫について書いてねー。。。

 

お気づきだと思いますが

私はこういう

「楚々とした美人。謙虚だけど、実は何でもできて、最終的にはイケてるダンナゲッツでハッピーライフ」しちゃう女があまり好きではありません。

 

へー

ほー

ふーん

 

よかったじゃーん?

 

みたいな。。。

 

継母が最後まで実に「嫌な人」だったのは良かったです。

父親が「なんか突然いい人」になったのは、自分の出世のためだった、とかいうオチだったらもっと面白かった。

 

原作が古典なのでジャパネスクみたいに、姫君が大活躍!という感じではなくて

「あー、何この姫君。イライラする!」という感じが、なきにしもあらず、ですが、

(というのも、この古典の作者は、女房クラスの女性が書いた作品、という説があるらしい。実質の主人公は「あこき」で、彼女がいかに頑張って、主人である姫を幸せにしたか、というストーリーなので、姫にあまり自主性見られないのは、そのせいらしい)

山内直実さんの素敵なお人柄が出ている作品です。

 

お時間ある時にでもどうぞ。

 

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