「寂しい生活」稲垣えみ子著

元朝日新聞のアフロ記者、稲垣えみ子さんのエッセイ

 

「生きていくのはけっこうめんどくさい。でも、幸せになるのに、モノはそんなにいらない」

という彼女のシンプルなメッセージに、

私はけっこう共感できます。

 

「100日間のシンプルライフ

という映画で、

主人公の一人が最後の方に

「モノは、もういらないんだ」

とつぶやくシーンが凄く印象に残った私。

 

稲垣えみ子さんのような生活をおくるのは今の私には無理ですが

(家族分の衣類洗うのに洗濯機はいるし、教育費のかかる子供がいるし、とか)

でも日々のふとした時間に

「それで私は幸せか」

と、問いかけることは続けていきたい。

 

稲垣さんが、この本に書かれているような境地におられるのは

「稼いだ分だけ遣う生活。しかも高給取り」

という経験がお有りになったからだろうな、と思います。

でも、だから説得力がある。

 

好きなだけ買いたいものを買った

メディアで話題のレストランにも、場所にも遊びに行った

 

でも、私は幸せだっただろうか?

と、考えた稲垣さん。

 

「あの時はあの時で必死だったし、必要なことだった」ともおっしゃってます。

 

この本で一番衝撃的だったのは

倉本聰さんと対談された時に教えていただいたという、1970年代に電通内で貼り出されていたという広告戦略十訓

もっと使わせろ!  

捨てさせろ!  

ムダ使いさせろ!  

季節を忘れさせろ!  

贈り物にさせろ!  

組み合わせで使わせろ!  

キッカケを投じろ!  

流行遅れにさせろ!  

気安く買わせろ!  

混乱をつくり出せ! 

 

私は思ったのです。

 

モノを大事に、修理して使い

季節を感じて生き

贈り物は必要な時に

(私は贈り物をすることが嫌いではありません。むしろ感謝を感じたらせっせと贈り物をします。ただ、「お中元お歳暮」のように惰性で贈り物をするのは苦手です)

必要なモノ、タイムレスな物を買い

買う前にはよく考える

 

ということをすれば

節約できるんじゃないかと

 

でも「無駄遣い」って楽しいんよね(笑)

まあ、程々に、ってことかな

 

私は彼女のエッセイが好きですし

(「一人飲みで生きていく」「魂の退社」も、めちゃ面白かった!)

閉じていく人生に

「自分で」始末をつけようとする生き方をカッコいいと思っています

#稲垣えみ子

#寂しい生活