「数学する身体」森田真生

 

森田真生さんはTED Talksでプレゼンされていて、私もその動画で彼のことを知りました。

英語ですが、めちゃくちゃ聞き取りやすいですし、字幕もありますので、彼のことをご存知ない方は、ぜひググってください

 

なんと、少女漫画に出てくるようなイケメンです(え、そこ?)

 

動画を見てから彼の本を手に取るまで、一年以上かかってしまいました。

 

森田さんは、どこの組織にも属さない「独立研究者」という立場であられるのですが、

俗な私の第一疑問は

「どうやって家族を養ってるのかな」

 

原稿料?印税収入?

という非常に低俗な疑問はあるのですが

まあ、なんとかなってらっしゃるようなので、ひとまず置いておく。

 

「数学の贈り物」と比べると、若干踏み込んだ内容ですが、読んだからって数学は一問も解けませんよ!(笑)

 

もうね、

書いてあることが高尚過ぎて、私なんぞは目眩の連続なんですが、何故か読み進めてしまう

 

森田さんの優しい語り口に騙されて(?)

大変心地よいのです

 

書いてあることの90%以上、理解できないのに、読み続けてしまう不思議

 

あなたもぜひ森田ワールドへ

 

#森田真生

「すべての映画はアニメになる」押井守

最近、押井守さんの本を読んでいるのですが

ことごとく対談集なんですよね

検索して引っかかった本を読んでいるのですが、どれがご本人が書いた本なのか、図書館の検索サイトだけではわからないんですよね。。。

 

この対談集は、宮崎駿さんとの対談もいくつか含まれていて

「誰も語らなかったジブリを語ろう」を読んだ身としては

ちょっと手に汗握る対談で、なかなか面白かったです。

 

お二人共「大人」なんで、

正面切ってバチバチって感じは一切なく

でもマイルドにお互い突っ込みーの

リスペクトありーの

で、

ほほぅ?

みたいな感じでニヤニヤしつつ読みました。

 

宮崎駿さんも押井守さんも

「これは絶対アイツには勝てねぇ〜」っていう部分をきちんと認識してらして

(ただし、突っ込むところは突っ込まれていますよ)

「(その部分では)負けたわ、オレ」ってちゃんと白旗降るところが流石だなぁ、と。

 

この本で一番私が衝撃を受けた押井守さんのコメントは

経験というのは、経験した人間の数だけ誤解が生じるのだ

というくだりです。

 

いや、なんとな~く、雰囲気として私もわかってはいたのですが

ああ、明確な言葉で表現するとこうなるのか、という

押井守、やっぱすごいわ」

という、新たな感動をえたのでした

 

#押井守

「嫌われ松子の一年」中谷美紀

映画「嫌われ松子の一生

主演女優、中谷美紀さんによる2ヶ月間に渡る撮影日記です

 

というのが一目でわかってしまうという、このタイトル、すごいですよね

 

誰が考えたんだろう

あったま、いいなあ。。。

 

日記形式なので、日付が書かれているのですが、日記自体は4月から7月くらいで、実際には3ヶ月弱、撮影期間が2ヶ月、ということのようです

 

中谷美紀さんがインドに逃避行(?)する原因を作った映画

 

精神的にも肉体的にも、女優中谷美紀を限界まで追い詰めた作品

 

なんですが

 

わたし個人の感想としては、この時期の中谷美紀さんがメチャ面白い

 

映画、観てないんですけどね、私。。。

Youtubeで宣伝を見たんですが、映像が好みじゃないっていうか。。。。

 

そんなことはどうでもいい

この本について、ですよ

 

この撮影日記はインド旅行記1を凌ぐ面白さ

中谷美紀さんにとっては、とても辛い日々の記録かもしれませんが。。。

 

この時期の中谷美紀さんは

「もうどうにでもなれ!

矢でも鉄砲でも持って来いや!」

みたいな、ちょっと開き直ったというのか

変に自分を取り繕おうとしていないのと

瑞々しい彼女の感性がいい感じにマッチしていて、凄く私好みなんですよね

(って、こんなことを素人の私に書かれても、彼女は何も嬉しくないだろう。すみません)

 

そして

監督による後書き(って言うのだろうか?)

中谷美紀さん、本当にすみませんでした」

も、笑えた。

ここに書かれていることは事実です、と認めるところが可愛いですよね

 

そして、

クランクアップの日、ビール缶片手に中谷美紀さんは監督の横で、これまで監督が吐いてきた毒を、真似して吐き続けたらしいんですが、本文ではサラッと書かれていて、せいぜい5分くらいかな、という印象の出来事なのですが、

なんと真実としては

監督のあとがきによりますと、中谷美紀さんは二時間、真似っ子毒吐きをやったらしい。。。

 

二時間。。。

映画一本の上映時間ですよ。。。

 

それを見て監督は

中谷美紀、有り得ない。。。」

と思ったそうですが、そこまで彼女を追い詰めたのはアナタですよ(笑)

 

中谷美紀さんはクランクアップのこの日

ビール10本飲んだそうです

 

私は、お酒が飲めないので分からないのですが

350mL缶として3.5リットルですか。。。

そんなに体に入るものなのですね

 

メイキング写真で、監督の横で、監督に向かってほっぺたをプックゥーと膨らまさせている(たぶん演技じゃない。「素」なのだと思うのですが)中谷美紀さんが、めっちゃ可愛いです

 

また、メイキング映像で

「二度と監督の顔を見たくない」

と、はっきり言っちゃう中谷美紀さんが、清々しかったです

 

#中谷美紀

「大仏ホテルの幽霊」カン・ファギル

高校の国語の先生が

「知識がないと読めない本」が大人になるとある

ということを話されていたのですがまさにこの本が、そうでした

 

韓国の歴史も

アメリカの小説家も

全く知らない私

 

には、正直ちんぷんかんぷんでした

 

実在する小説家(日本人ではない)が二人出てくるのですが

かろうじて一人は

「あー、名前、きいたことある」

という(読んだことある、じゃないところが我ながら。。)レベルで。。。

 

韓国の歴史を(も?)全く知らない自分も発見しましたよ。。。

 

またチャプターによって、語り口が変わるのですが

けっこう読み進めないと誰かわからない構成になっていて

「誰やねん、これ」っイライラ(私だけ?)しながら読む羽目になり、精神衛生上よろしくない

 

翻訳者いわく「ゴシックスリラー」らしいのですが

それは、幽霊が出てくるから、なんでしょうか

 

まあ、他にも不審な死(階段から転げ落ちて首の骨を折って即死)が多発する、というのはありましたが

それって、建物の構造的欠陥なんじゃないか、と考えてしまう私が、どこかおかしいんでしょうか

 

幽霊というのは自分の国の幽霊じゃないと怖くない、というのを何かで読んだのですが

まさにそんな感じなのか

怖がりな私なんですが

そんなに怖くはなかったです

 

 

読者の知性というか

見識の深さというか

そういうものが試される本でした

 

たはは。。。

まあ、所詮そんなレベルの人間が書いているブログ、ということがお分かりいただけたかと思います

 

あ、読もうと思ったキッカケは日経新聞

書評です

 

以上

こんな駄文、読ませちゃってすみませんでした

 

「微生物ハンター、深海を行く」高井研

タイトルだけみると、

素人微生物マニア(自分で書いていてなんなんですが、いるのか、そんな人)が書いた本かと思うのですが

(え、そんなこと思うのは私だけですって?)

高井研さんはプロの研究者です

(なに、この表現)

 

国立研究開発法人 海洋研究開発機構に所属

この法人は文部科学省所管だそうです

ということは税金を使って研究していると、ふむふむ

(なんか、品のない言い方ですみません)

 

略称はJAMSTEC(ジャムステック)、高井さんもこの名称を本で使われています

 

フル表記は以下の通り

Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology

 

海洋が、Marine-Earthになるところが面白いですよね

 

って、全く本の内容に触れてない(笑)

 

高井さんは、私より10歳近く上で、時折挟まれる昭和ネタはワタシも「なんとなく」わかるのですが

(時折?けっこうウザめな頻度で入ってる)

 

なんと、この本の想定ターゲット読者はティーンエイジャーだそうです

 

わからなさすぎて本を読むのを止めるか

昭和オタクが食いつくか

 

気になるところです

 

 

高井さんの研究対象は

「生命の起源」

 

つまり

我々はどこから来たのか

 

という壮大な謎解きであります

 

知ったからって、

お腹が膨れるわけでも

チャリーンとお金が降ってくるわけでもありませんが

「知りたい。ただそれだけで研究したら駄目なんですか」

という、非常にピュアな探究心

 

文章自体は、

チャラめというか、

能ある鷹は爪を隠す、であえてなのか

本性がチャラいのか

まあ

笑いながら読み進められるんですが

研究されている内容は「マジ」です

 

頭の良い方って、難しいことを事もなげにサラッと書かかれたり、話されたりするのですが、

つまりそういう本です

 

「きゃーわうぃねー♡」なんてしゃべり方に騙されてはいけません

 

高度な研究内容を、真面目な面で話すのは凡人です、いやただの秀才です

(ただの?!)

 

イケメン面して、チャラい言葉を吐きながら、目は笑ってない

 

こんなヤツが一番ヤバいんですよ

 

文科省が年間予算350億を投じて何を研究させているか

あなたは読むべきだ

(スーパーウルトラ上から目線で失礼します)

 

#高井研

「裸の大地 第二部 犬橇事始」角幡唯介

 

ウヤミリックが死んじゃった。。。!

 

いや、いつか死にますよ。。。

でも、主人である角幡唯介さんの腕の中で死ぬならともかく。。。

 

という、衝撃のラストで終わった「犬橇事始」

 

「裸の大地 第一部 狩りと漂泊」も読んだのですが、こちらの犬橇事始のほうが断然読みやすい

 

理由は簡単で、見たことも行ったこともない極地の風景より

犬たちのボス争いや、個性について書かれている「犬ドラマ」の方が、私の興味をひくからです

 

とはいえ、第一部からただ一人

じゃない

ただ一匹、ずーっと角幡さんの相棒だったウヤミリック

 

まだまだ一緒に旅するはずだったのに

先導犬として、まさにこれからだったのに

 

いつかウヤミリックが死んだら、毛皮にして、ずっと一緒に旅したかった、という角幡さん

事情から、それもできなくなってしまった角幡さんは、どうやって悲しみを乗り越えたんだろうか

 

犬橇チームの紅一点、カコットが産んだ仔犬が、もしかしたらウヤミリックの子供かもしれない

(断定はできないようですが。。。カコットちゃんは、複数の雄犬と交配させられて(?)いるので。逆ハーレムですな。全く羨ましくはない(笑))

 

 

でも

ウヤミリックの子供だといいのになあ

 

私は犬の多頭飼いはしたことがないので

犬の個性というものを、あまり認識したことはないのですが

角幡さんの犬橇チームは10匹前後で推移しているので

それぞれの犬の性格が比較されてしまいます。

 

仲のいい犬、悪い犬、無関心な犬

覇権争い

集団リンチ

犬が犬にみせる思いやり

犬から犬への指導

 

そして

「あいつら、いつかぶっ殺してやる!」

という角幡さんのブチギレっぷり(笑)

 

ネット記事「惑星巡礼」によると

今現在も犬橇をされているようです

 

#角幡唯介

 

「女を書けない文豪(オトコ)たち」イザベラ·ディオニシオ

敬愛するイザベラちゃんの第二作品目

 

平安古典に関するエッセイで作家デビューしたイザベラちゃんですが

実は専門(専攻かな?)は日本近代文学だそうです

 

えっ

なのに日本古語が読めるって

イザベラちゃん

どんだけ〜

 

なんか、日本人としての、

自分のスペックの低さに愕然とするわ。。。

 

だからといって、今から

「あり おり はべり いまそかり」

を、やり直す気持ちなど1ミリもございませんが。。。

 

小説とか、ほとんど読まないので

ここに紹介されている本も

ほとんど読んだことがないし

「面白そう!読んでみたい!」と思った作品もないのですが(←ないんかい! )

そんな私でも、読んだことがある数少ない作品

「わたしが・棄てた・女」

著作 遠藤周作

 

イザベラちゃん曰く

『まったくもって納得のいかないストーリー』

 

よくぞ、言ってくれた!

もう、ホントその通りよ!

 

何が聖女じゃ〜!

ふざけんな〜

 

私、この作品を読んだの高校生だったんです

で、たまたま高校の世界史の先生がこの「わたしが・棄てた・女」のヒロインを

絶賛したんですよね

「素晴らしい女性だ」

 

 

そこで、私は

「はあ?はあ? 男ってホント、馬鹿なの!?」

としか思わなかったですよね

 

そんなムカつく作品をなぜ読んだのか

 

それはこの作品を、

当時私が惚れ込んでいた音楽座が、ミュージカルにしたからです

 

先にミュージカルを見て、

まあストーリーとしては納得行かなかったんですけど、

原作読んでみようと

 

やっぱり全くもって納得いかなかった(笑)

 

ミュージカルの作品としての出来は悪くはなかったんですよ

むしろ、よくこんな難しいのを、うまいこと舞台作品にしたなあ、っていう感じで

舞台としては、ホント良かったんです

 

ストーリーがさあ、なんなんよ

ていうだけで

(だけ?)

 

で、イザベラちゃんの解説も読んで

やっぱ納得いかんわ

っていう感想よ、やっぱり

 

え、何が納得いかないのかって?

何もかも!

ですよ

 

美貌と財力を盾に、男たちへの復讐に生涯を費やし、初恋の人に対して純潔(なんじゃそれ)を通した

真珠夫人』も

(読んでないです。

イザベラちゃんの解説とWikipediaの情報のみ)

性欲のはけ口にだけ利用され「棄てられた」『わたしが・棄てた・女』のヒロインも

今際の際に、男の名前を呼んであの世へ行く

 

んなわけないだろ

そんな女いるか

近代文学、わからんわ。。。

 

ああ、だから

「女が書けない」ってことでしょうか

 

#イザベラ・ディオニシオ