大河ドラマ 光る君へ「星落ちてなお」

星?

なんじゃらホイ、と思っていたら兼家が死ぬ回だった

 

蜻蛉日記の作者、道綱母が、死の床にいる兼家に、息子(道綱)のことをしつこく売り込む(?)シーンは、笑っていいんでしょうか

 

道綱が

「パパが死にかけてるのに、それはないよ、ママ」

みたいセリフと、言い方も良かったよね

この道綱の「間」の取り方がいつもいいなあ、と思って見ています。

 

で兼家は邸の庭で一人、誰にも看取られず死を迎えます。朝方、道長が発見する、というシーンあるんですけど。。。

前々から思っていましたが、この邸、家人がいなさすぎないかい?

女房とかあまりにも出てこないよね?この家。。。

 

で、一番楽しみにしてたのは、一条くんと定子ちゃんのシーンですよ

 

いやー、吉田羊さん(一条帝の実母)の演技は良かったよね

正直、今までの吉田羊さんの演技は、いいのか悪いのか、ちょっとよくわかんなかったんですけど、今回のシーンは、うまいこと「ハマった」という感じでしょうか

 

ママ、こっわー。。。

みたいな。うん、いい感じだ

 

何なんだ、心の持ちよう、って。。。みたいな

ちょっとハラスメントっぽかったし。

 

「ボク、ママより定子お姉ちゃまがいい」

っていう、一条帝の心の声が聞こえてきませんでしたか?

聞こえましたよね?(圧)

 

あれ?

私だけ?

 

高畑充希さんもいいですよね!

最初に配役だけ見たときは

「へぇ。。。」

っていう、感想だったんですけど、高畑充希さんは、やっぱ演技うまいですよね

嫌味なく上手だ〜

表情によって美人に見えたり、どうってことない普通の女の子になることができる本当に「女優さん」なんですけど、定子は見事に「美人」になりきってますよね!

 

「また、お上の勝ちです」

っていう声とか、言い方がね、私のイメージ通りの定子だったのよ!

 

なのに、なんかね、道隆がさ

イマイチ、パッとしないんよ。。。

影が薄いんだよね。。。

なんでや。。。

うーん、違うんよ、そうじゃないんよ、

っていうのが拭いきれない

原因は何?

演出?脚本?演技?全部?

 

ともかく、仲の良い一条帝と定子ちゃんが見れて嬉しかった!

まだ、お姉ちゃんと弟って感じですが、それがまた、とっても微笑ましかったです

 

あとは、

安倍晴明の存在意義が、よくわからなくなってきた。。。「陰陽師」ファンとしては、ちょっと見ててツライのよ。。。なんか狂言回し的な?使われ方よね?

「次の星は短い」とかさ。

うん、知ってる

 

あと、どうしても納得いかないんですが、どう書いていいのかまでは解らないのですが

まひろの弟子である女の子と、その親についての描き方が

「文字を知っている側と知らない側

(この平安時代でいうと、貴族と平民、

つまりは先進国と発展途上国という感じだに解釈できると思う)」

が、ステレオタイプ(いい意味での言葉として使っていない)過ぎて、

え、令和になってもこんな一元的な描き方しかできないの?

っていう、憤りを覚えました。

 

そういう「奢り」は、もうやめませんか。。。

 

せめて、この可愛らしいお嬢ちゃんの父親についての何らかの描写が、今後あることをを願う

 

#光る君へ

「数学する人生」岡潔(編 森田真生)

森田真生さんの「師」である岡潔さんのエッセイや、大学の講義を、森田真生さんが「ガイド」となって編集してくださった本です。

 

岡潔夫人のエッセイが一つ入っているのですが、これがめちゃ面白いです。

 

森田さんが、数学者は数字に強くないですよ、という有名なエピソードをTED Talksでも披露してくださっていますが、岡潔も、物の値段を間違って覚えています。

夫人から「一桁間違っておるのです」と突っ込まれるダメダンナ。。。

 

岡潔のエッセイ「春宵十話」も手に取ったのですが、正直なところ内容については、反論もできず、賛成もしがたく、納得もできず。。。

という、なかなか、んー、な感じで。

 

一方、こちらの「数学する人生」は森田さんが程よく「ガイド」してくださるのが心地よく、最後まで読めました。

 

内容は、やはり、理解したとは言い難いのですが、森田さんが自分で岡潔の思考に近付こうとしているアプローチが見えて、そこは面白かったです

 

この本のカバー写真が美しくて、これはどこなのだろうか

 

#森田真生

「数学する身体」森田真生

 

森田真生さんはTED Talksでプレゼンされていて、私もその動画で彼のことを知りました。

英語ですが、めちゃくちゃ聞き取りやすいですし、字幕もありますので、彼のことをご存知ない方は、ぜひググってください

 

なんと、少女漫画に出てくるようなイケメンです(え、そこ?)

 

動画を見てから彼の本を手に取るまで、一年以上かかってしまいました。

 

森田さんは、どこの組織にも属さない「独立研究者」という立場であられるのですが、

俗な私の第一疑問は

「どうやって家族を養ってるのかな」

 

原稿料?印税収入?

という非常に低俗な疑問はあるのですが

まあ、なんとかなってらっしゃるようなので、ひとまず置いておく。

 

「数学の贈り物」と比べると、若干踏み込んだ内容ですが、読んだからって数学は一問も解けませんよ!(笑)

 

もうね、

書いてあることが高尚過ぎて、私なんぞは目眩の連続なんですが、何故か読み進めてしまう

 

森田さんの優しい語り口に騙されて(?)

大変心地よいのです

 

書いてあることの90%以上、理解できないのに、読み続けてしまう不思議

 

あなたもぜひ森田ワールドへ

 

#森田真生

「すべての映画はアニメになる」押井守

最近、押井守さんの本を読んでいるのですが

ことごとく対談集なんですよね

検索して引っかかった本を読んでいるのですが、どれがご本人が書いた本なのか、図書館の検索サイトだけではわからないんですよね。。。

 

この対談集は、宮崎駿さんとの対談もいくつか含まれていて

「誰も語らなかったジブリを語ろう」を読んだ身としては

ちょっと手に汗握る対談で、なかなか面白かったです。

 

お二人共「大人」なんで、

正面切ってバチバチって感じは一切なく

でもマイルドにお互い突っ込みーの

リスペクトありーの

で、

ほほぅ?

みたいな感じでニヤニヤしつつ読みました。

 

宮崎駿さんも押井守さんも

「これは絶対アイツには勝てねぇ〜」っていう部分をきちんと認識してらして

(ただし、突っ込むところは突っ込まれていますよ)

「(その部分では)負けたわ、オレ」ってちゃんと白旗降るところが流石だなぁ、と。

 

この本で一番私が衝撃を受けた押井守さんのコメントは

経験というのは、経験した人間の数だけ誤解が生じるのだ

というくだりです。

 

いや、なんとな~く、雰囲気として私もわかってはいたのですが

ああ、明確な言葉で表現するとこうなるのか、という

押井守、やっぱすごいわ」

という、新たな感動をえたのでした

 

#押井守

「嫌われ松子の一年」中谷美紀

映画「嫌われ松子の一生

主演女優、中谷美紀さんによる2ヶ月間に渡る撮影日記です

 

というのが一目でわかってしまうという、このタイトル、すごいですよね

 

誰が考えたんだろう

あったま、いいなあ。。。

 

日記形式なので、日付が書かれているのですが、日記自体は4月から7月くらいで、実際には3ヶ月弱、撮影期間が2ヶ月、ということのようです

 

中谷美紀さんがインドに逃避行(?)する原因を作った映画

 

精神的にも肉体的にも、女優中谷美紀を限界まで追い詰めた作品

 

なんですが

 

わたし個人の感想としては、この時期の中谷美紀さんがメチャ面白い

 

映画、観てないんですけどね、私。。。

Youtubeで宣伝を見たんですが、映像が好みじゃないっていうか。。。。

 

そんなことはどうでもいい

この本について、ですよ

 

この撮影日記はインド旅行記1を凌ぐ面白さ

中谷美紀さんにとっては、とても辛い日々の記録かもしれませんが。。。

 

この時期の中谷美紀さんは

「もうどうにでもなれ!

矢でも鉄砲でも持って来いや!」

みたいな、ちょっと開き直ったというのか

変に自分を取り繕おうとしていないのと

瑞々しい彼女の感性がいい感じにマッチしていて、凄く私好みなんですよね

(って、こんなことを素人の私に書かれても、彼女は何も嬉しくないだろう。すみません)

 

そして

監督による後書き(って言うのだろうか?)

中谷美紀さん、本当にすみませんでした」

も、笑えた。

ここに書かれていることは事実です、と認めるところが可愛いですよね

 

そして、

クランクアップの日、ビール缶片手に中谷美紀さんは監督の横で、これまで監督が吐いてきた毒を、真似して吐き続けたらしいんですが、本文ではサラッと書かれていて、せいぜい5分くらいかな、という印象の出来事なのですが、

なんと真実としては

監督のあとがきによりますと、中谷美紀さんは二時間、真似っ子毒吐きをやったらしい。。。

 

二時間。。。

映画一本の上映時間ですよ。。。

 

それを見て監督は

中谷美紀、有り得ない。。。」

と思ったそうですが、そこまで彼女を追い詰めたのはアナタですよ(笑)

 

中谷美紀さんはクランクアップのこの日

ビール10本飲んだそうです

 

私は、お酒が飲めないので分からないのですが

350mL缶として3.5リットルですか。。。

そんなに体に入るものなのですね

 

メイキング写真で、監督の横で、監督に向かってほっぺたをプックゥーと膨らまさせている(たぶん演技じゃない。「素」なのだと思うのですが)中谷美紀さんが、めっちゃ可愛いです

 

また、メイキング映像で

「二度と監督の顔を見たくない」

と、はっきり言っちゃう中谷美紀さんが、清々しかったです

 

#中谷美紀

「大仏ホテルの幽霊」カン・ファギル

高校の国語の先生が

「知識がないと読めない本」が大人になるとある

ということを話されていたのですがまさにこの本が、そうでした

 

韓国の歴史も

アメリカの小説家も

全く知らない私

 

には、正直ちんぷんかんぷんでした

 

実在する小説家(日本人ではない)が二人出てくるのですが

かろうじて一人は

「あー、名前、きいたことある」

という(読んだことある、じゃないところが我ながら。。)レベルで。。。

 

韓国の歴史を(も?)全く知らない自分も発見しましたよ。。。

 

またチャプターによって、語り口が変わるのですが

けっこう読み進めないと誰かわからない構成になっていて

「誰やねん、これ」っイライラ(私だけ?)しながら読む羽目になり、精神衛生上よろしくない

 

翻訳者いわく「ゴシックスリラー」らしいのですが

それは、幽霊が出てくるから、なんでしょうか

 

まあ、他にも不審な死(階段から転げ落ちて首の骨を折って即死)が多発する、というのはありましたが

それって、建物の構造的欠陥なんじゃないか、と考えてしまう私が、どこかおかしいんでしょうか

 

幽霊というのは自分の国の幽霊じゃないと怖くない、というのを何かで読んだのですが

まさにそんな感じなのか

怖がりな私なんですが

そんなに怖くはなかったです

 

 

読者の知性というか

見識の深さというか

そういうものが試される本でした

 

たはは。。。

まあ、所詮そんなレベルの人間が書いているブログ、ということがお分かりいただけたかと思います

 

あ、読もうと思ったキッカケは日経新聞

書評です

 

以上

こんな駄文、読ませちゃってすみませんでした

 

「微生物ハンター、深海を行く」高井研

タイトルだけみると、

素人微生物マニア(自分で書いていてなんなんですが、いるのか、そんな人)が書いた本かと思うのですが

(え、そんなこと思うのは私だけですって?)

高井研さんはプロの研究者です

(なに、この表現)

 

国立研究開発法人 海洋研究開発機構に所属

この法人は文部科学省所管だそうです

ということは税金を使って研究していると、ふむふむ

(なんか、品のない言い方ですみません)

 

略称はJAMSTEC(ジャムステック)、高井さんもこの名称を本で使われています

 

フル表記は以下の通り

Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology

 

海洋が、Marine-Earthになるところが面白いですよね

 

って、全く本の内容に触れてない(笑)

 

高井さんは、私より10歳近く上で、時折挟まれる昭和ネタはワタシも「なんとなく」わかるのですが

(時折?けっこうウザめな頻度で入ってる)

 

なんと、この本の想定ターゲット読者はティーンエイジャーだそうです

 

わからなさすぎて本を読むのを止めるか

昭和オタクが食いつくか

 

気になるところです

 

 

高井さんの研究対象は

「生命の起源」

 

つまり

我々はどこから来たのか

 

という壮大な謎解きであります

 

知ったからって、

お腹が膨れるわけでも

チャリーンとお金が降ってくるわけでもありませんが

「知りたい。ただそれだけで研究したら駄目なんですか」

という、非常にピュアな探究心

 

文章自体は、

チャラめというか、

能ある鷹は爪を隠す、であえてなのか

本性がチャラいのか

まあ

笑いながら読み進められるんですが

研究されている内容は「マジ」です

 

頭の良い方って、難しいことを事もなげにサラッと書かかれたり、話されたりするのですが、

つまりそういう本です

 

「きゃーわうぃねー♡」なんてしゃべり方に騙されてはいけません

 

高度な研究内容を、真面目な面で話すのは凡人です、いやただの秀才です

(ただの?!)

 

イケメン面して、チャラい言葉を吐きながら、目は笑ってない

 

こんなヤツが一番ヤバいんですよ

 

文科省が年間予算350億を投じて何を研究させているか

あなたは読むべきだ

(スーパーウルトラ上から目線で失礼します)

 

#高井研